御殿場西高等学校 空手道部

全国高校総体・追記「日本一に向かって」

日本一への思いを込めて!
日本一への思いを込めて!

「日本一」

これは、我が部の目標のひとつです。この目標に向かって、毎日努力を続けています。

8月7日、全国高校総体最終日。

勝ち残っている種目は、男子団体組手(ベスト8)と男子個人組手の須田芳広(ベスト4)。

前日、惜しくも地元兵庫の強豪校相手に敗退した女子部員達は、試合終了直後もこみ上げる悔しさと涙をぐっとこらえ「男子のためにできることを!」と笑顔をつくり、観覧席へと急ぎ、大声を張り上げて応援にまわりました。御殿場西高校の日本一の夢はまだ続いています。ホテルへ帰っても、一切沈んだ顔を見せず気丈に振舞う姿は、男子の力となりました。

夢に向かって、いよいよ最終段階へと突入です。

男子団体組手準々決勝。相手は岡山県の強豪校。

先鋒13-11でまず1勝!続く次鋒と中堅が引き分け、副将は1-6で負け、この時点で1勝1敗2分け。大将に勝負が託されました。取って取られての攻防を繰り返した末3-4とリードを許します。

残り時間6秒。僅かな隙をついて相手の懐に飛び込み、中段突きで4-4に並びました。

残り時間2秒!このまま引き分けでは、総ポイント数で負けてしまいます。何としても1ポイントが欲しい。主審の「始め!」の声と共に速攻で飛び込みました。しかし、逆に相手に返し技を決められ、4-5で惜敗。

結果、1勝2敗2分けで敗退となってしまいました。

最後の最後まで、諦めず果敢に攻めていった結果です。この戦いぶりは、見ている人に感動を与えました。

練習場へ帰ってきた選手達の顔は、抑えきれない悔し涙で濡れていました。でも、泣き崩れることはありませんでした。溢れ出る涙を必死でこらえ、この後の個人組手準決勝に向けて気持ちを切り替えました。自分が身に付けていたお守りを須田に渡す選手、声を上げ場を盛り上げる選手、皆、たちまち戦いへと向かう顔つきになっていきました。夢への道はまだ閉ざされてはいません。

迎えた個人組手準決勝。須田の相手は、3月の全国選抜大会の優勝者。延長戦へともつれ込む接戦となりました。延長戦開始わずか2秒、素早く間合いを詰め、思い切って放った上段突きが見事に決まり、須田は決勝へと駒を進めました!

男子個人組手決勝戦。相手は、団体で負けた学校の選手です。

自身の強い気持ちと、39人の部員の思い、保護者や応援して下さる数え切れない数の人々の思いを力に変え、須田は、攻めの姿勢を貫きました。会場には、大きな声援が響き渡ります。それに後押しされるように次々とポイントを重ねていき、試合時間終了のブザーが鳴ったその時、観覧席は歓喜の声に包まれました。7-1という大差をつけての勝利を手にした瞬間でした。

優勝を決めて、声援に答える須田芳広
優勝を決めて、声援に答える須田芳広

それまで悔しさをぐっと押さえつけていた部員達の感情が爆発し、全員が大粒の涙を流しながら喜びを分かち合いました。この仲間達がいたからこそ取れた日本一。部員全員で取った日本一。もっと大きな、大勢の人の力によって取れた男子個人組手 須田芳広 の優勝。

感謝という言葉はよく使われますが、他の言葉を探そうとしても見当たりません。やはり、皆さんに「感謝」しかありません。「応援していただき、ありがとうございます。」「支えていただき、ありがとうございます。」「よく頑張ってくれた。ありがとう。」「みんな、ありがとう。」

そしてこれからも、新たな「日本一」へと向けて空手道部は前進していきます。

最後に、長い記事となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。